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#4 YouTube動画で重要な2つの要素とYouTubeチャンネルがもたらすマーケティング効果

これまで3回にわたり、動画活用やYouTubeの有効性について解説してきました。

YouTubeチャンネル運営についても、以前より前向きな気持ちになられているのではないでしょうか?


しかし、闇雲に動画を作ってもなかなか見てもらうことはできません。

そこで、今回YouTubeで効果を出す動画が持つ、2つの重要な要素を解説してまいります。

そして後半では、実際にYouTubeをきっかけとして、実際のマーケティング活動で効果を出している企業の実例をご紹介します。


(結城) こんにちは、株式会社WIQOMEDIANの結城です。


(滝) 滝です。


(結城) 今回はYouTubeチャンネルを成功させるために必要なポイント、そしてそこ

から期待される効果について解説していきます。



▼動画を見たくなる引き金 ”半歩先の面白さ” とは


(結城) そもそもYouTubeではどんな発信をすれば効果を生むことができるのでしょうか?

一口に動画を見てもらうことを考えても、実は ”視聴の入り口” と”継続して見てもらうこと”とでは重要なポイントが異なります。


まず ”視聴の入り口” において重要なポイントは「面白さ」です。ご自身の経験をとってもよくわかるのではないでしょうか?

ただ面白さといっても様々なタイプがあって、YouTuberのようなバラエティ的面白さだけではなくて、知的好奇心をくすぐったりミステリアスなものもこの面白さにあたります。


ここ数年のYouTube上での都市伝説ブームもまさにこれにあたります。


(滝) YouTubeで人気の”面白さ”で共通しているポイントがあるんですけど、それが”半歩先の面白さ” というものです。半歩先というのはどういうことかというと、「想像できるんだけどやったことはないんだよな」とか「想像したり、聞いたことはあるんだけど、確かなことは知らない」ということですね。


例えば ”やってみた” というジャンルだと、一番有名なのは ”メントスコーラ” ですよね。

あれが人気だった理由は、メントスをコーラに入れると噴射するということは聞いたことがあるけど実際にやってみたらどうなるのか疑問だったからなんですよね。


このように、聞いたことがあるし自分もやろうと思えばできるんだけど、実際にやったらどういう結果になるのか?みたいな企画がすごく人気があるんです。


あとは、話題のニュースがあり、それが今後どうなっていくのかということを解説した動画も、なんとなくざっくりとは分かっているけど、より詳しく知りたいという欲求を喚起するので人気ですね。


全く想像できないことや行き過ぎたことを提示しても、YouTubeでは無視されてしまいます。人は物事を相対的に物事を比較して価値を決めるので、自分の中で全く比較する対象がないようなものを出されてしまってもダメなんですよね。


この「みんな知ってるだろうし、想像したこともあるだろう」という面白さを狙うとやっぱり跳ねやすいんです。やっぱり跳ねやすいですね。人気がある・面白い動画というのは、基本的にそういう傾向があります。


企業が扱っている情報にも、何となく知っているけれど詳しく知らないということが身の周りに隠れていたりするので、その辺をいかに見つけるかみたいなことが重要であると思いますね。



▼「もっと見たい、見続けたい」 を生む “共感”


(結城) では面白さで惹きつけた後、継続的に主張してもらうためにどんなポイントが必要

でしょうか?


それはズバリ「共感」です。


ブランドの表したいテーマが動画内で表現され、それが視聴者の共感と結びつくときに視聴者は動画をもっと見たいと感じます。そして、視聴を重ねるうちに、YouTubeチャンネルそして運営している企業のファンになっていきます。


(滝) 「共感」はもう本当にYouTubeにおいて大事ですね。

まさにYouTubeで流行している ”あるあるもの” や “モーニングルーティン” なんかもそういう部類なのかなと思いますね。

そして、YouTuberというものがこれだけやっぱり人気を博していったというところを考えてみても、「共感」の大事さが分かります。


やっぱり ”今までのマスコミにおけるコミュニケーション” と “YouTubeのコミュニケーション” というのはそこが一番違うんですよね。


テレビなどのマス媒体によるコミュニケーションだと、完成されてパッケージ化されたものを一斉に放送するので、ある程度どこから見ても面白い状態なんです。お笑いで言えば、芸が完成してないと当然ダメなわけですよね。


そこでYouTubeが異なる点は、コンテンツをみんなでインタラクティブに作っていく良さがあるんです。だからパッケージ化されすぎていくと逆に人気が出なくなっていっちゃうんですよね。


視聴者がコンテンツに参加できる余白が必要なんですよ。その余白を形作るのが、まさに”この人私と似ている”, ”私と同じ境遇” などの「共感」なんですね。


YouTuberが人気出たのは、”昔遊んでた近所のお兄ちゃんとか先輩” みたいな感じの共感を生んでいたからなんですよ。すごく特別に見た目が飛び抜けて美しいとか、お笑いのセンスが飛び抜けている訳ではないですよね。


そういう部分が行き過ぎてしまうと、視聴者から遠い存在になってしまいます。古い言い方

すると、”ブラウン管の向こう側の人” になっちゃって、共感が乗りづらくなるんです。


もちろん、面白い人気YouTuberも増えてきているんですけど、その人たちもやっぱり粗さがあるんですよね。


僕ら世代でいうと、とんねるずさんが昔バラエティで活躍していた時、芸としては今に比べると全然粗かったと思うんですよね。でも、”俺らの上の世代をぶっ壊す” みたいな感じで躍動している様子に、若い世代の視聴者の共感がのったわけです。


この粗さなどに対する共感で、YouTuberたちも一般人から人気になっていったということですね。


話が回りくどくなりましたが、共感できるような余白や共通性が本当に重要なんだなということが見て取れますね。


(結城) 確かに、YouTubeのコメント欄を見てみても、「分かる〜」みたいな共感コメントとかツッコミを入れたりして、視聴者も一緒になって楽しんでる感じが見受けられますよね。


(滝) そうですね。楽しませるという点では、例えばサンドウィッチマンさんのコントみたいなコンテンツも楽しさとして成立しているんですが、サンドウィッチマンさんと一緒に楽しめはできないですよね。それに、有名な人だから見てもらえるわけです。


しかし、YouTubeは有名人でなくても「共感」というものを使うことによって人気を博していくことができる。そういう要素があるんです。


(結城) 以前ご紹介した、成果を出しているYouTubeチャンネル北欧、暮らしの道具店もまさにその最たる例といえます。



実際の利用者さんの ”北欧雑貨のある丁寧な暮らし” という世界観が動画内の中で表現されていて、視聴者はそこに自らの理想のライフスタイルを重ね合わせています。


またこのチャンネルではOLや主婦が主人公の連続ショートドラマも配信しているんですが、この登場人物の言葉だったり紡がれていくストーリーも強く共感を生むポイントになっています。


(滝) 映像としてはすごく映画みたいな綺麗で完成された世界観ではあるんですけど、共感がうまく形作られていますね。


人って自分のちょっと延長線上にいる人に憧れたり共感するんですよね。その延長にある人は、自分がこうありたいなって思っていることを肯定してくれる存在になるので、好意をすごく持つわけです。


北欧の暮らしに憧れる人たちが「こうなりたいな」と思える理想の姿を描くことで共感を獲得してるという、すごく上手なやり方をしていますよね。



▼YouTubeがもたらしたマーケティング効果①「B.R.CHANNEL Fashion College」


(結城) これまでの話を受けても、実際にYouTubeがどれほどのマーケティング効果をもたらすのか、まだ疑問で一歩踏み出せない方もいらっしゃると思います。


そこで弊社が運営を行っている2つのチャンネルでの実際の成果をご紹介したいと思います。


1つ目のチャンネルはB.R.CHANNEL Fashion Collegeです。



こちらは以前もご紹介させて頂いた高級メンズファッションのチャンネルです。

ファッションディレクターの干場義雅さんなどを講師として、ファッション解説やトレンド

紹介の企画を行っています。


ファッション業界の著名人やゲストでご登場されるブランドやショップの方々が視聴者の憧れや理想を体現しています。


こちらのチャンネルの効果は大きく2つ挙げられます。


1つ目は「ECサイトでの売上げアップ」です。

こちらのクライアント様は実店舗に加えてECサイトも運営しているのですが、かなりの高価格帯のラインにも関わらず、動画内での紹介後すぐに注文が殺到するという状況が起きています。


例を挙げると”1万円弱の別注Tシャツが販売開始たった45分で完売”、”1着十数万円のレザー商品が一晩で数百着のオーダー受注” などさまざまなものが圧倒的なスピードで売れています。


続いて2つ目の効果としてはリアルなイベントでの集客力アップです。B.R.CHANNELでは定期的に大手百貨店や様々なセレクトショップの店頭での公開収録が行われています。その中のとあるイベントでは100名の定員に対して600名もの応募が殺到するなど圧倒的なファン人気を誇っています。


このようにYouTubeでファンの信頼を獲得した結果、高価格帯の洋服が次々と売れるのみならず、オフラインの場でもエンゲージメントが高まっているのが非常に興味深い点と言えます。


(滝) そうですね。1着十数万円するレザージャケットが、数百着一気に売れるって考えられないですよね。


このチャンネルがスタートした時が5年前だったんですけど、その時はまだYouTubeチャンネルっていうのがまだ今ほど力を持っていませんでした。ヒカキンさんのようなトップYouTuberでも登録者数が10万人とか20万人くらいだった気がします。


そんな頃にチャンネルをスタートしたんですが、当然今のようにYouTubeを通じて服を売れるみたいな時代ではなかったし、もっと言えばそのファッションやアパレルのチャンネルというものがYouTubeでまず再生されない状況でした。ビームスさんやユナイテッドアローズさんなどの知名度があるチャンネルでも登録者数数千人という状況でした。


では、なぜ今こんな結果が実現できたのかっていうと、それはちょっと先の共感というのを

作り続けたんですよね。


講師の干場さんは、イタリアンファッション好きな方にとってみたら、すごく憧れの存在じゃないですか。そういう人が「こう着れば良くなるよ」というような形で、あまりセンスがない人たちにも、いろいろテクニックをずっと教え続けたんですよね。


それによって、視聴者自身の存在の肯定にもなりますし、自分達を押し上げてくれる存在にもなるので、”共感” と ”好意” が乗りやすい状況をずっと作ってきました。それを継続した結果、まさに高価格帯の商品が売れたわけですよね。


なぜそういうことが起こるかというと、物を買うときのきっかけで一番強いのは、周りの信頼してる人が言うからっていうところなんですよね。これは皆さんもすごくピンと来るところだと思います。


だから、好意をひたすら固めていくと「この人が言うんであればもう間違いないな、多少高くても買おう」っていう風に購入へ繋がるんですよね。


やっぱり高いモノを買う時ってミスしたくないじゃないですか。確実に良いものが欲しいわけですよね。その時にこの信頼してくれている人の意見が、ものすごい左右していくわけです。


このように、”好意” ”信頼” を醸成していける、それがYouTubeチャンネルなんですね。それをひたすらやり続けた結果、B.R.CHANNELでは成果が出ていますので、皆さんもひたすらにそういうところを目指してやっていただけたらなと思います。

 


▼YouTubeがもたらしたマーケティング効果②「ウンTube」


(結城) 2つ目のチャンネルはウンTubeです。

こちらは腸活を扱ったチャンネルで、MCの女子2人組 ”ブリッコーズ” がさまざまな腸活法やダイエットに挑戦していく企画を行っています。



このチャンネルでの成果としては、健康食品メーカーとのタイアップ販売での腸活商品

詰め合わせを動画内で紹介した結果、視聴者の33.5%が商品LPを閲覧し、公開後数分で25個が完売。さらに71個の次回予約が入りました。コンバージョン率 4.4%とかなり高い数値です。


(滝) なかなか高い数字ですよ。


(結城) これもやっぱり毎回様々な腸活情報を提供して、実際にトライしている2人がおすすめする商品だからこそ、こういう効果につながったのではないかと思います。


(滝) このブリッコーズっていう名前、僕がつけたんですけど(笑)


(結城) そうなんですか(笑)


(滝) ウンTubeもおかげさまでそこそこの登録者数もいただいております。


YouTubeのポイントでもう1つ挙げるとすると、どんな欲求をすくうかがすごく重要ですね。


僕は昔テレビの現場にいたんですけど、テレビ番組を作るときには、なんとなくの欲求、F2,F3という、どの層に向けて作るかみたいなものがざっくりとありました。しかし、どのセグメントのどのターゲットに対して、というような細かい設定までやっていることを僕は見たことないんですね。


しかし、YouTubeはオンデマンドということもあるので、欲求にダイレクトに訴求するものが伸びやすいというのは間違いないです。視聴者が自分で選んで自分でクリックして視聴するわけですから、欲求を深く強く喚起しない限りはなかなか見られないですよね。


YouTubeでも、まだ埋められてない欲求が結構あるのでそれを探ることが大事です。

ですから、映像を作れる人よりもそれぞれの道のプロが、映像を作り出してるみたいな状況になってきていますね。


これまでは映像を作れる人が作ってたんですけど、現在は誰でも作れる時代になりました。そのため、その道のプロであればYouTubeで発信さえしてしまえば、すぐにその欲求を埋めることに繋がるので、各プロの方がどんどんと人気になっている状況なんです。


企業もそれぞれの商品のプロなので、それにまつわるいろんな知識とか情報があるはずですよね。それをいかに欲求に対して整えて訴求させていくと、ブランディングに繋がっていくんと思います。


(結城) 確かにプロが自ら作った動画って良いですよね。テレビなどでは、いろいろな事情があってカットされることもあると思うので、YouTubeで直接届けてくれると余計信頼ができますよね。


(滝) そうですね。加工されていない生の情報を摂取してる感覚にもなりますよね。企業がそれをやるときには、あえてその生っぽい編集にしてみる、といったテクニックがあったりするですけど、そこも含めるとYouTubeのプロにお願いした方が結果としていいんじゃないかなというのを感じますね。



▼YouTubeで重要なポイントを踏まえ、効果をもたらすチャンネル運営を


(結城) YouTubeで視聴者を引きつけファンにさせるためには、入り口においては「面白さ」そして継続的な視聴には「共感」が重要ということを紹介してまいりました。


あなたの企業が提供できる面白さとは何か、視聴者が共感できるポイントはどこか、それををはっきりと見極めて動画を作っていきましょう。


その継続の先にはYouTube内の成功だけではなく、実際の企業活動としてのマーケティングの成果が見えてきます。


(滝) 繰り返しになりますけど、日本は少子高齢化で人口が減少しているうえに、情報があふれかえっている時代になっているわけです。その状況では、ファンを深くつなぎとめていくということが、今後の企業活動の何よりも重要になってくるポイントなんですよね。


(結城) 今ちょうど撮影しているタイミングが、コロナウイルスが猛威を奮っている状況なんです。そのため、在宅の人が増えて、YouTubeのトラフィックもめちゃくちゃ増えているようなんです。Googleはそれを受けてインターネットが停滞しないように、動画の画質を下げると発表したんですよね。


ですから、こういう時こそ家で誰しもが接触できるタッチポイントを持っておくっていうのはすごく重要ですよね。今後テレワークなども普及していくので、自宅で居ながらにして視聴できるものが、どんどんもっと自由になっていきます。だからこそ、まさにYouTubeでのブランディングが重要といえますね。


(結城) 次回は「YouTubeのチャンネル運用自社で行うべきかそれとも外注に任せるべきか、そのメリットデメリット」についてご解説していきます。

是非ご覧ください。



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