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結城 拓人

#7 実例データから読み解く、伸びるYouTube動画の作り方


チャンネル運営が始まって数ヶ月、とりあえず動画を投稿して満足していませんか?

YouTubeで継続的に成長していくためには、視聴データの分析とそれを活かした動画の改善が非常に重要です。

今回はアナリティクスというYouTubeの分析機能を実際に見ながら、分析のポイントを解説してまいります。



(結城) こんにちは、株式会社WIQOMEDIANの結城です。


(滝) こんにちは、 滝です。


(結城) 今回はYouTubeチャンネルのスタート後ある程度期間が経ったものの、実際にその効果が出ているのかいまいちよく分からない、不安という方に向けて、YouTubeの効果測定のポイントをご紹介していきます。



▼動画投稿のあとの行動がYouTube成長の鍵


(結城) 動画を毎回アップした後に視聴回数や登録者の上がり下がりを見て、ただ一喜一憂しているだけでは非常に意味がありません。


では、動画をアップロードした後には何をするべきでしょうか?


やることは2つです。

1つ目は「視聴者の反応の分析」、2つ目は「その結果を次の動画に生かす」ことです。

この2つはチャンネル運営の基本中の基本です。


YouTubeにはアナリティクスという機能がありまして、そこで各動画に対する視聴者の反応

(エンゲージメント)というものを分析することができます。


今回は弊社のYouTubeアナリストの岡崎をまじえて、実際にアナリティクスの画面を見ながら数字の意味を読み取っていきましょう。



▼YouTubeアナリティクスにはどんな指標が存在する?


(岡崎) こんにちは、YouTubeアナリストの岡崎です。よろしくお願いします。


(結城) まず、ざっとアナリティクス内での数値をご紹介します。


”視聴回数” ・・・動画の再生回数

”チャンネル登録者数” ・・・1動画からのチャンネル登録数

”総再生時間”・・・動画が視聴された延べ時間

”視聴者維持率”・・・動画の時間に対する視聴率を%で表した指標

”インプレッション”・・・動画の表示回数

”高評価率” ・・・サムズアップ数をサムズアップ+サムダウン数で割った指標


弊社ではさらにこの指標を組み合わせた独自の判断基準で動画の分析検証を行ってい

ます。


(滝) パッと見てやっぱりこの画面難しいですよね。何がどうなっているか分からないと思いますし、だいたいの人が視聴回数を見て良い悪いの判断をしがちなんですが、これが結構

落とし穴だったりします。今日はその辺も詳しくお話しできたらなと思います。



▼実例データ分析① エリアB 視聴回数/リアクション率がどちらも高い動画


(結城) 今回はその一例として、”動画の再生数” ”視聴者のリアクション率” を比較して、それらの特徴と改善策を考えていきます。


それではこちらの図をご覧ください。



こちらのグラフは、横軸を ”再生回数” 、縦軸を”チャンネル登録率と高評価率”という視聴者リアクションとしています。その中でA~Dの4つのセグメントに分けることができます。

それぞれのエリアごとに細かく見ていきましょう。



(結城) まずは右上のエリアBからご紹介いたします。ここに入る動画は視聴回数もリアクション率も高いというエリアになっています。これはどういった特徴がありますか?



(滝) これが理想の場所ですよね。

視聴回数がすごい良くて、見てる人の反応もすごい良いっていうことで、ここを目指していきたいですよね。


(岡崎) 実例を見せながら解説したいと思います。

この動画は視聴回数100万回を超えた、かなりのヒット動画なんですが、配信してから1年

4カ月経つんですけれども、未だに伸び続けていてもうすぐ180万回再生、この間でチャンネル登録者数 1万8千人と常にこのチャンネルを引っ張ってきた存在といえる動画なんですね。



(滝) この動画1つで1万8千人獲得していることですよね?


(岡崎) はい。すごい動画なんですけど、このチャンネルの他の動画の平均再生回数は1動画あたり3000~4000くらいなんですよ。ですから、飛び抜けた存在なんですね。

この動画が伸びてくれたおかげで新規ユーザーを獲得できています。


(滝) つまりは再生回数を伸ばすということは、今までチャンネルを知らなかった人に認知を上げるということなんですね。認知を上げる場合でも、釣り動画だったら意味ないわけですよね。満足度が低いわけですから。


つまり ”登録率” や ”高評価率” のようなエンゲージメントが高いということは、認知を広げながら、満足度も上げているので理想的なんですよね。


(岡崎) 「もっと継続的にみたい」というアクションがチャンネル登録になるので、そういう心をつかんだというところが、まず動画の中身の素晴らしい点であり、一般の人に広がるということは興味を引けるタイトルやサムネイル、動画のテーマだったので動画が見られたということですね。まさに理想の動画ということです。


(滝) 要は、建て付けとしての企画が良く、サムネイルやタイトルも良くて、蓋を開けてみたらの期待通りの面白さがあるような動画の編集がなされているということですよね。


(岡崎) 170万回超の再生がある動画なんですけれども、チャンネル登録率がどれぐらいなのかという話をします。


YouTubeアナリティックスではユニーク視聴者数も出すことが出来るんですけど、表示できる期間が3ヶ月と限られております。今回、28日間で見た時のユニーク視聴者数82,757、登録者数917で、チャンネル登録率を計算すると、約 ”1.1%” となります。



我々もいろいろなチャンネルをやって数字を見てきていますが、1%を超える登録率は高いです。

すごい立派な動画だと思います。

 


▼実例データ分析② エリアD 視聴回数が高く、リアクション率は低い動画



(岡崎) 続いてエリアDの動画をご紹介します。

これも実際の画面を見ていきましょう。


公開して3年半ぐらいで合計約63万回再生。このチャンネルの中でも一番伸びている動画です。チャンネル登録者数が2,025人で、視聴回数で割って登録率を出すと約0.3%ぐらいなんです。



(滝) 全然さっきと違いますね。


(岡崎) 全然違うんですよ。

もちろん登録者を獲得してくれているので、このチャンネル内ではすごくいい働きをして

いるんですが改善点もたくさんあります。


視聴回数が高くてエンゲージメントが低い場合、どういう意味があるかというと、おそらく動画の入り口はよかったんです。タイトル、サムネイル、テーマで興味を引けた結果、再生回数も伸びたと推測できます。


しかし、動画の内容でその期待を超えることができなかった。それゆえにエンゲージメントが伸びていないと考えられます。

編集であったり、撮影時点での進行の仕方とか、出演者のパフォーマンスなど、中身に改善点があるといえます。


(滝) さっきのエリアBの動画では登録率1.1%だったので、仮にこの動画の視聴回数に登録率

1.1%をかけると6000人ぐらいのチャンネル登録者が出ていたわけですよね。となると、実際の数字と4000人くらいの差が出ているわけです。


となると、撮影や編集で4000人の差が出てくるということで、撮影でのディレクションや編集などの見せ方も大事かということですね。


このエリアDはその辺を改善しなければならないということですね。


(岡崎) エリアDのテーマ自体は良かったと予想できるので、それをグレードアップさせたものを作っていけば、チャンネル登録を高めていける動画作りができてきますね。



▼実例データ分析③ エリアA 視聴回数は低いがリアクション率は高い動画



(岡崎) 次はエリアAの動画の事例をご紹介していきます。

このチャンネルは公開1週間のデータ計測を非常に重視していています。


この動画はパッと見ではそこまで伸びている印象がない動画です。

公開後1週間で視聴回数 約1万回なんですが、このチャンネル平均では1本あたり1週間で約4万回なので、視聴回数で見るとあまりふるわなかったといえます。



しかし、弊社では各項目で評価するポイントがあります。

視聴回数が低かったとしてもエンゲージメントが高ければ、それは意味のある動画だという判断をしております。


そのポイントでいうと、この動画はユニーク視聴者数が約9000人で高評価数 96なので、高評価率が約1%程度で、このチャンネルの平均を超えてかなりトップの方の反応になっています。



さらにこのユニーク視聴者数がどういう内訳かも見てみます。

アナリティクス画面の”視聴者”というタブを見ると、”チャンネル登録者の総再生時間” という項目があって、チャンネル登録済みユーザーとそうでない人の割合というのが見れるんですね。ここを見るとチャンネル登録済みの方が68.0%と圧倒的に多いんです。



ですから、この動画は既存のチャンネル登録者にはすごく刺さった、という読みができるんですよね。視聴回数は伸びなかったけれども、既存のチャンネル登録者が求めている動画であるということですね。


(滝) チャンネルの中にも、ファンの濃さの違いがあるんですよね。

弊社がチャンネル運用する時には必ずそのファンピラミッドというものを想定して、どの段階にどういう特性のファンがいるっていうのを想定していくんですけど、それで言うとこの動画は結構コアなファンが喜んでくれている、ということですよね。


一般の認知にはあまり役立ってないですけど、コアなファンはすごい喜んでくれているので

ファン度の向上に貢献しているということですね。


(岡崎) チャンネルとして目指している ”好意” の獲得に貢献しているので、このようなベクトルの動画がコアファンには刺さる、というのがこういう動画から読み解けます。ですから、今後の動画企画を考えるうえで、定期的にこういう企画も打ってみるという戦略も立てられますね。


ただ、ちょっと気になる数字でチャンネル登録者が-11とあります。このマイナスの理由は

おそらくファンピラミッドの一番下のまだ浅いライトファンの行動だと考えれます。この動画とは全然違う企画の動画から入って一度チャンネル登録をしたんですけど、この動画をみて「これなんか違うかも」となり登録を外しているのかなと考えられます。


(滝) ライトファンの方々ってすぐ活かせる情報やハウツーものに飛びつく傾向が結構ありますからね。認知拡大にはそういうコンテンツがすごく有効なんですけど、一方でこういうコアなファンを喜ばせるものもたまにないと、そのファン度であったりブランドへの好意が育っていかないんですね。


ですから、フェーズやバランスを見ながら動画の企画も変えていくべきですね。

今は認知拡大フェーズだからハウツーもの、次はファンの好意を獲得するときだからこういうコアなものを作る、というふうな戦略を立てていくような感じで。



▼実例データ分析④ エリアC 視聴回数/リアクション率 どちらも低い動画



(岡崎) では、最後のエリアCの話をしますね。

こちらは視聴回数もエンゲージメントも数値がよくないんエリアですね。


チャンネルの中で視聴回数にバラつきがある場合だと、ダメな要因を考えやすいと思うんですね。その時に、これまで紹介したA,B,C,D 4つのエリアの考え方を当てはめてみて、動画の入り口がよくなかったのか、中身が良くなかったのか、大きくはこの2つの切り口で観ていただければ分析しやすいと思います。


仮に全部100回ぐらいしか再生数が行かないチャンネルも見られますよね。


(滝) 最初の時期とかね。


(岡崎) そういうチャンネルの特徴としては、やっぱりニーズを満たせていないってことだと思いますね。入り口である動画のタイトルやサムネイルから、そもそもの興味関心を引け

ないというところだと思います。


(滝) だから、チャンネルのコンセプトそのものがズレているのかなと。もう一度STP分析をして、よりしっかりとハマる形のコンセプトを考え直したほうが良いですね。


(岡崎) あとは、例えば再生回数が少なくても、その視聴者維持率を見てみたらそこに差があるかもしれないですね。この動画Aは視聴回数 500回で、この動画Bは600回だけど視聴者維持率に結構違いがあるとなると、それが高い方が関心をひけているということになりますよね。そうすると、こっちのテーマのほうがまだ興味をひけているのかなという判断が下せますね。


ですから、悲観せず中身を細かく見ていくっていうのが結構大事ですね。



▼運営フェーズで変えていきたい運営施策


(結城) 4つのエリアの動画の特徴を比較して、それぞれ取るべき改善策を考えてみました。

この他にも、YouTubeチャンネルの運営フェーズによっても取るべき基本方針が変わっていきます。


まずチャンネル開設初期の認知拡大フェーズでは、やはり ”視聴回数””ユニークユーザー数” の獲得が重要です。そのためには “届けるターゲット” と “企画” の2つの軸で、動画の内容を考え、それを少しずつ変えていきながら数値を比較してヒットする要素を導いていきましょう。


この継続から視聴者の求めるものが見えてきて安定的な数字の獲得が期待できます。


(滝) 初期段階なので、とにかく認知させることですね。

企画部分で言うと、いかに欲求を喚起するかがすごい重要になってきますね。一方である程度バズを狙わないといけないので、多少コンセプトからズレたものも作っていくべきですね。


これは割とYouTubeあるあるなんですけど、コンセプトやブランドイメージにこだわりすぎるあまり、視聴者さんが求めてないものを作ってしまっている例もあるんですよね。やっぱり視聴者のニーズ・イシューから発進して、モノをつくっていかないと中々ヒットって生み出せません。そのへんをしっかりと分析しながら、企画を作っていくことが重要だと思います。


(岡崎) 往往にして、「私たちはこうです」みたいな提示型の動画を出してしまう企業も結構多いですよね。それだと、やっぱり見られなくなってしまいますよね。視聴者ドリブンでニーズを考えていくことが重要ですね。


そのときに、まず最初は最高のエリアBの動画を狙いつつも、視聴回数を稼げているエリアDも視野にいれて、広いテーマで打っていくことが大事ですね。


(結城) その後チャンネルが拡大して、だいたい登録者数が10万人以上となったタイミングでは、よりファン度を向上させるコンテンツ作りに意識を向けていくべきです。


新規ユーザー獲得ももちろん重要なんですが、この段階でのファンの愛着を深めてファン自身におけるチャンネルの重要度を高めていくことがさらなる活性化へとつながります。


たとえば、コメント返信動画や視聴者から提案のあった企画を採用、ファン自身の動画への登場を応募するなどの施策が考えられます。


ファンがよりこのチャンネルに関わりたいと思えるような企画を打っていくと効果的といえます。


(滝) いかに、ファンにこのチャンネルを自分ごとにさせるか、自分が参加することでこのチャンネルが成立する、と思える施策を打っていくべきですね。


それは動画に直接出演するというハードルの高いことだけではなく、コメントやいいねとか含めて、ファンが入り込める余白を持たせた動画作りが、このフェーズにおいては重要になってきますね。



▼まとめ


(結城) YouTubeは動画をアップして終わりではなく、そこからがむしろスタートです。

継続的な分析を繰り返し、改善を続けていくことでファンに求められるものが見えてきます。


そのためには各指標の役割を理解し、その指標の変化がもたらす意味合いを視聴者の行動に落としこんでいくことが重要です。


弊社のBRAN動画ではその点もサポートを行っておりますので、ぜひお気軽にご質問ください。お待ちしております。


今回も動画をご視聴いただき方にありがとうございました。

次回は「YouTubeチャンネルを長期的に成功させるためには何をすべきか」

これについて解説していきます。是非ご覧ください。


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